Growth Hackには様々なテクニックや魅力的な成功事例があります。
しかし、それらを学ぶ前に絶対に知らなければならないことが一つあります。
それはGrowth Hackにおけるメンタルフレームワーク、心構えです。
そこで今回は、26日にOn labで開かれたイベントで、FacebookやTwitter、QuoraでGrowth Hack経験を持つ、Andrew Johns氏が語った3つの重要なメンタルフレームワークを紹介します。
>Growth Hackerって何?という方は前回の記事をどうぞ
Growthは複利で考えろ
Growth Hackはパーソナルファイナンスの様なものです。
そこでは、複利の利子が重要となります。 例えば100万の投資の年利子が5%なら一年後の利子は5万ですが、10年後にはそれが63万になっています。
Growth Hackにおいてもそれは同じ。
下の図をご覧下さい。
たとえば、あるサービスの合計User数が10万人だったとしましょう。
Weeklyの成長率が2%と3%とでは、週の新規獲得ユーザーが2000人と3000人なので、 一見するとそこまで差はないように思えます。
しかし1年後には、ユーザー数28万人と46万人という全く別次元の結果になっています。
複利のように、少しの成長率の違いが、最終的には大きなユーザー数の差になってきます。 1%の改善を重ねましょう。
それが、一年後にはとてつもない規模のGrowthになっています。
Growth Hack体質を自分、そして会社のDNAに組み込もう
Growth Hackは個人のHackerの力量だけでは成し遂げられません。
それは、単純にエンジニアやデザイナーというリソースのレベルだけでなく、 会社からの理解が必要という点においてです。
Growth Hackは100回施策をテストして、20個がGrowthにつながり、そのうちの3~4つが大きなGrowthにつながればいいという世界です。
つまり80回のミスを恐れずに、100回の施策テストをやり切ることが必要なのです。
実際にJohns氏は、2ヶ月で70回の施策テストを行い、15個が成功、そのうち3個が大きなGrowthにつながったが、残りは失敗という結果だったそうです。
著名なGrowht Hackerでもその割合なのですから、ミスを恐れずにいかに多く打席に立てるかが重要です。
さらに言えば、その意識を会社組織にも浸透させる必要があります。
今のあなたの会社で、施策のテストを一ヶ月で35個できるかと聞かれたら、おそらく首を横に振るでしょう。
なぜなら、会社というのはリリースというものに対してとても慎重なので、できるだけテストなどの不確定要素は嫌うからです。
ですが、そのような環境ではGrowth Hackを成功させることはできません。
大切なのは打席数です。
打席数を多くできるようにルールを変えましょう。
それには会社のDNAを変えるくらいの気概で上司とディスカッションしなければなりません。
シンプルであれ
成功したGrowth Hackの多くは、実にシンプルなものです。
TwitterのSignUp数に関するGrowth Hackなどはその典型です。
初期のTwitterでは、SignUp画面で"@"以下のIDの重複が頻繁に起きていて、 SignUpでの脱落が非常に多いという課題を抱えていました。
そこで、取られたGrowth Hackは、 フルネームを記入すると、自動で取得可能な"@"以下のユーザーIDが候補として表示されるというもの。
例えば、「梶谷健人」と入力すると、自動で@kent1234と表示するなどです。
その結果なんと、一日のSign Up数がGrowth分だけで6万人も増加しました。
Growth分だけ、一日分だけで、です。 ではどうすればシンプルに物事を考えることができるようになるか。 シンプルに考えるための一番の近道は、シンプルなフレームワークを頭の中にもっておくことです。
例えば、ECサイトにおけるGrowth Hackの式は以下のように示せます。
K=Viral Growth A=出品率 B=商品ページの平均トラフィック量 C=購入のコンベージョン率
つまりECサイトにおけるGrowthとは「出品率」「商品ページの平均PV数」「購入のCVR」をまとめたものであると理解できます。
こうしたシンプルな式が頭の中にあるだけで、かなり思考や施策の方向がスッキリします。
まとめ
1.Growthは複利で考えろ 2.自分、そして企業のDNAを変化させよう 3.シンプルであれ
複利・打席・シンプルです。
常に頭の片隅には置いておきたいですね。