前回の記事で、グロースハッカーとは何者なのかを解説しました。
ここで経営者の方からよくある質問が、 「グロースハッカーがいなくとも、マーケターがいれば良いのではないか?」です。
結論から言うと、スタートアップに関しては、グロースハッカーを採用するべきです。
その理由は、以下の3つのようにスタートアップを取り巻く環境が"特殊すぎる"からです。
スタートアップ企業は毎月驚異的な速さで成長していかなければならない
スタートアップは驚異的な率で毎月成長していかないとすぐに死んでしまう生き物です。
しかもその成長は、広告などのブースト的な方法ではなく、資金的にも成長サイクル的にも持続的なものである必要があります。
従ってスタートアップには、広告に頼らない方法で100倍、1000倍の成長を狙って施策を行うグロースハッカーが必要なのです。
大企業などでは、年に5%でも成長できれば十分でしょう。 従って、「既にシェアを十分に持っている成熟事業を更に成長させるマーケター」が重宝されることになります。
スタートアップは不確実な状況の中で戦わなくてはならない
スタートアップは、霧で視界が悪い中を全力でダッシュし続けるようなものです。
真のコアカスタマーとなるのは誰か。 なぜ彼らはあなたの商品を買うのか。 どのチャネルが最もユーザー獲得につながるのか。
上のような問いに明確な答えがないまま走り続けなければならないのです。
したがって、スタートアップは何が、どこがユーザー獲得のスイートスポットになるのか、絶えずテストし続けなければなりません。
そしてそれを担うのが、テストの手法やスキルを身につけたグロースハッカーなのです。
一方で、大企業では上記の全ての問いには、すでに解を持っています。 よって、彼らは既に効果が高いと分かっているマーケティングチャネルに全力で 知恵とお金を使います。
スタートアップのプロダクトは未完成
スタートアップというからには、プロダクトが完成しているということはありません。
絶えず改良や、大幅な方向転換が必要です。
従って、グロースハッカーはユーザーをGrowthさせる仕組みをプロダクトの中に組み込むことができますし、しなければなりません。
一方で、大企業では往々にしてプロダクトは完成しています。 そしてマーケターは、その完成したプロダクトに手を加えることはできません。
よって、彼らが行うのは広告などのプロダクト外での施策になってきます。
決して両者に優劣はない。
グロースハック中心に書いているので誤解されそうですが、 決してグロースハッカーがマーケターに勝っているなどどは考えていません。
上で見てきたように、グロースハッカーとマーケターを取り巻く環境は180度違います。
当然、そこで求められるスキル、思考、戦略は大きく異なります。
しかし、USなどの成功したスタートアップを見る限り、スタートアップに必要なのは、 マーケターではなくグロースハッカーだと考えています。