Facebook、Twitter、Fancy、TuneInRadio。
これらのサービスには2つ大きな共通点があります。
1つ目は、どのサービスもイケてること。
2つ目は、どのサービスもAndroidファーストで開発、グロースハックを進めていること。
日本のサービスでは全くと言っていいほど行われていませんが、海外のイケてるサービスの中で、Androidファーストは一つのスタンダードになっています。
なぜAndroidファーストなのか?
一つの大きな理由としては、"小回りの良さ"です。
Androidアプリは申請からリリースまでほとんどタイムラグがありません。
よって新しい機能に、バグがあったり、ユーザーの反応が悪かった場合に、すぐ修正や前のバージョンに戻すなどが可能です。
iOSの場合は、申請から反映まで結構待たなければいけないため、こうはいきません。
ここらへんの話は、弊社のグロースハッカーで、僕の師匠である築山のインタビュー記事を参考にして頂ければと思います。 秘訣はAndroidファースト!ファッションアプリ「iQON」急成長の理由はプロダクト改善の徹底追求だった。
もう一つのより大きな理由は、記事の最後で。
習うより盗め!ベンチマークすべき海外アプリ8選
実際のAndroidファーストのやり方は、実際にそれで成功しているアプリをベンチマークして学ぶのが一番早いと思います。 以下で、ベンチマークすべきアプリを8つ紹介します。
1、Fancy
Androidアプリのお手本とも言えるアプリ。
現在は、Androidファーストでバッチ機能をテストしているようです。 継続率を上げる施策として、今後の動きをチェックしていきたいですね。
2、Soundwave
今何の音楽を聞いているか共有するアプリであるSoundwaveもAndroidファーストで数々のテストを行っています。
個人的に、Soundwaveは友人紹介の導線がキレイだなーと思っているのですが、Androidでは「Facebook招待」、「Twitter招待」、「スタッフのおすすめ」などの要素の並びでテストしています。
3、nwplyng
Soundwave同様のアプリである、nwplyngもAndroidファーストでテストをしています。
例えばAndroidの方では、ウォークスルーの中に登録導線がある形になっており、かつウォークスルー内の画像や文言もテストしています。
4、Facebook
実はFacebookもAndroidファーストで多くのテストを行っています。
Androidでは、まだLIKEのついていない投稿の下に、「友達より先に「いいね!」と言いましょう。」という文言が付いています。
英語版では、「Be the first person to like this」でiOSアプリも定着していますが、言語が変わると数値が変わるため、実験しているのでしょうね。
5、Twitter
Twitterも今回の大幅リニューアルで、Android版にテスト仕掛けてきましたね。
Android版では、従来は投稿アイコンをタップしてから、投稿画面に遷移するというフローでしたが、下に「いまどうしてる?」と常にテキストエリアのようなものが表示されるという仕様になりました。
投稿数の増加を狙ってのテスト施策だと思いますが、結果が気になりますね!
6、TuneInRadio
ラジオアプリのTuneInRadioでは、お気に入りのラジオ局や番組を保存できるのですが、Android版では特に曲だけを切り出して保存するタブを準備しています。
恐らく、曲だけを切り出してmp3プレイヤーのように使うユーザーを増やすことでRetention率を上げようという意図だと思いますが、今後の結果が気になります。
7、Hipmunk
安く航空券やホテルを探せるアプリであるHipmunkもAndroidファーストで開発を進めているようです。
ホーム画面で、Androidアプリの方では、おすすめの旅行先がタイル形式で表示されています。 これにより、「試しに旅券やホテルの値段を調べてみるユーザー」を増加させ、結果的にCV数を増加させようとしているのだと思います。
8、iQON
弊社のiQONも完全にAndroidファーストでグロースハックしています。
一例を出せば、ホーム画面に流れてくる要素を年齢別にフィルターを通したものにするという施策で継続率が格段に伸びました。 理由としては、ファッションは年代による嗜好の違いが顕著なので、その年代にマッチしたコンテンツを見せた方が刺さりが良いためだと考えています。
iOS版にも反映し、全体として大幅な継続率UPにつながりました。
ベンチマークすべきアプリを探す方法
残念ながら、日本のアプリでAndroidファーストで高速でグロースハックを回している会社は全くと言っていいほどないため、海外から仕入れるしかありません。
海外からベンチマークするべきアプリを探す方法は大きく2つあります。
1つ目は、海外のGoogle PlayのGoogleおすすめアプリのアプリを片っ端からチェックするという方法。
しかし、これは米国のVPNサービスを利用して、米国のIPアドレスに切り替えることに加えて、Google Walletの拠点国を変更しなければならず、お金と手間がかかります。
2つ目の方法は、Google I/Oに招待された企業のサービスをチェックするという方法です。
Google I/Oとは、Google が主催する開発者会議で、Google の製品やウェブ技術に関する最新情報について知ることができる専門的なセッションで構成されています。
その中で世界中のサービスから、数十社が招待されてデモ展示などを行うのですが、ここに選ばれているサービスはAndroidファーストで成功しているものが多いです。 VASILYも2013のI/Oに出展致しました。
Androidファーストであるべき、もう一つの理由。
小回りの良さに加えて、Androidファーストであるべき理由はもうひとつあります。
それは、自身のサービスで世界市場を攻める前提でやるなら、世界の普及率を考えてAndroidに力を入れるのは当然だということ。