日本でもグロースハック系の記事が増えていました。
しかし、多くの記事で「何をやるか」「どうやるか」を解説していても、「いつやるか」について言及している記事はほとんど見ません。
「『いつやるか』って重要なの?」と思った方は、AirbnbのCraigslistの話や、Hotmailの"p.s. I love you"の事例を思い出してみて下さい。
「潜在顧客がどこにいるのか」を把握していなかったり、登録導線がわかりづらい状態で、それらのHackが成功したでしょうか?
せっかく思いついたHackを無駄にしないように、今日は、「いつやるか」、グロースハックの4つのステージについて書きたいと思います。
グロースハックって何って方はこちらの記事をどうぞ。 「グロースハック」とは
ステージ1:Learn
一番始めのステージは、顧客を理解することです。
顧客を理解することのメリットは数え切れないほどありますが、例えば以下のようなことが可能になります。
・顧客が苦痛に感じていることを理解できれば、それを解消できるサービスだと訴求するだけで、CVRを大幅に向上できる
・潜在顧客がどこにいるのか、どうやればアプローチできるかが分かる
・開発した後に、実は必要とされていない機能だったと発覚するリスクを最小化できる
etc.
それでは、顧客を理解するためにどうすれば良いかと言うと、以下の2つのステップを踏めば良いのです。
Step1:顧客をセグメント化
セグメントの切り口は無数にありますが、グロースハック界でよく言われるPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を図るための質問、「あなたはこのサービスが使えなくなったらどう感じますか?」という質問から始めると良いでしょう。
以下の4つのような解答の"熱量"で顧客をセグメント化することができます。
1) とてもがっかりする 2) 少しがっかりする 3) がっかりしない 4) 今も要らない
さらに、このセグメント化をファネル分析と掛け合わせて、以下のファネル毎に分析をすると面白いデータが取れるかと思います。
a) 最近、登録した顧客 b) 最近、購入した顧客 c) 最近、離脱した顧客
Step2:顧客にインタビューする
効果的な質問項目は別の記事で書くとして、是非おすすめしたいのは、セグメント毎のインタビューです。
下の図は実際にiQONでユーザーインタビューする際に使ったものです。 (数値は全て元データと関係のない数値に変えてあります。)
ユーザーインタビューする際に、気を付けたいのは、そのユーザーはマジョリティなのかマイノリティなのかを明確に区別できているかです。
そうしないと、マイノリティの意見を参考に機能実装すると、マジョリティが離れかねないので。
ステージ2:Develop
ステージ1で得た気付きを元に、実際に開発を進めます。
このステージでは、主に以下の2つを行います。 ・Acquisitionや、Retentionの妨げとなっている障壁を特定し、それを取り除く
ex) Twitterは、ID(@〜)の重複によるエラーでの離脱が非常に多かったため、それを自動入力にしたところ、一日の登録人数が6万人増加した。 ・顧客をプラスのROIに誘導しているチャネルを特定し、それを拡大する
ex)Twitterは、初日のフォロー数が一定の値を超えると継続率が非常に高くなることに気づき、初日に半強制的なフォロー導線を設け、継続率を飛躍的に向上させた。
ステージ3:Optimise
このステージでは、ステージ1で得た定性データと、ステージ2で得た定量データを組み合わせて、最適化を行います。
ステージ4:Scale
このステージまで来ると、あなたのチームは顧客のことを深く理解しており、あなたのプロダクトのAcquisitionやRetentionは非常に高い状態にあります。
この状態になると、社内リソースを使ってグロースハック施策を打ったり、ある程度コストをかけてプロモーションを打ってもROIはプラスになります。
この段階になって、SEOや友人紹介プログラムなどのグロースハックや、リスティング広告などのプロモーションを積極的に仕掛けていきましょう。
まとめ
今回紹介したフローはAARRRモデルよりも一個上のレイヤーにあたるのかなと考えてます。
やみくもにAcquisitionに走らず、今回の4つのステージを踏んで、確実にグロースを達成できるようにしましょう!