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リーンUXの専門家集団のCEOが語った「リーンUXとグロースハック」

リクルートが、シリコンバレーおよび東京から著名なグロースの専門家を招聘し、連続のミートアップ・シリーズを開催するリクルートGrowth Hacker Month

先日、その第三回が行われた。

スピーカーは、Lean UXの専門家集団であるLuxrの創業者Janice Fraser氏と、世界一のA/Bテストツールを提供するOptimizelyの共同創業者Pete Koomen氏だ。

今回は、前半でJanice Fraserが語った「リーンUXとグロースハック」について記事にしたいと思う。

Lean UX

グロースハックって何って方はこちらの記事をどうぞ。 「グロースハック」とは

 

Janice Fraser氏とは何者か

"Janice Fraser氏は、Adaptive PathのCEOを経て、Lean UXの専門家集団であるLuxrを創業し、シリコンバレーを中心に多くのスタートアップおよび大企業のLean UXの実践をサポートしている。主にウェブサイト上のユーザ体験の向上に貢献しているAjaxという言葉は、彼女が生み出したものだ。" 引用:リクルートGrowth Hacker Month 第3回

  現在は、全米でセミナーのオファーが絶えず、合衆国のCTOからLean UXの教えを請われる程の人物だ。

そんな彼女が、グロースハッカーもとい、全スタートアップ関係者に欠かせない「Lean UX」について語ってくれた。

 

そもそもLean Startupとは

Lean UXはLean Startupの概念に基づいているため、それを理解することが最初のステップとなる。

Lean Startupの概念を理解する上で、"Lean Startupではないもの"を理解することは大きな助けになる。

"Lean Startupではないもの"とは以下の3つである。

1.お金のかからないスタートアップ手法 2.速いスタートアップ手法 3.ショートカットできるスタートアップ手法

以下で詳しく説明していく。

  1.お金のかからないスタートアップ手法

Lean Startupはお金とは関係ない。

実際、何百万円と投資することもある。

重要なのは、実験をし、常に学ぶということだ。

  2.速いスタートアップ手法

Lean Startupで速くなるとは限らない。 実際、遅く感じることもある。

なぜなら、「私達の前提条件は本当に正しいのか」という難しい問題から先に手を付けるから。

例えば、あなたがMyspaceの創業者だとして、「人々はオンライン上でもっと人と繋がりたいはずだ」という、その前提条件が崩れれば、ビジネス全体が崩れてしまう前提の検証を先に行う。

そして、それはしばしば間違いであることが分かる。

そういった時に随時、調整やピボットを重ねる必要があり、必ずしも"速い"とは言えない。

しかし、その前提条件の検証を見て見ぬふりをし、ファイナンスや採用がある程度進んだあとに、その前提条件が崩れた状況を創造してもらえれば、はじめに検証する重要性は分かってもらえるはずだ。

  3.ショートカットできるスタートアップ手法

Lean Startupはショートカットするための手法ではない。

Startupはろくにテストをせずにリリースなどをして、ショートカットしようとするが、 Lean Startupでは、問題をブレークダウンし、一歩一歩進む

 

Lean Startupとリスクの関係

通常のスタートアップなどでの製品開発は、以下の図のように、製品開発を進めるにつれて"リスク"が上昇していく。

その"リスク"とは、上で説明した前提条件が間違っている製品や機能を開発してしまっているというリスクである。

Screen Shot 2014-02-27 at 7.03.47 参考 一方で、Lean Startupでは以下のように開発を進める。

ジグザグと小さい山のリスクで進んでいく。

Screen Shot 2014-02-27 at 7.04.01 参考 なぜこれが可能かというと、ひとえに継続的に測定をし、学習しているからである。

何か新しい製品や機能を出す際は、毎回必ず前提条件などの実験、学習を行うべきだ。

それで何が良いかと言うと、保守的にならずに済む。

なぜなら最大リスクの幅が小さいから、つまりFail Safeがあることを分かっているからだ。

 

UXとはなにか

それでは、次にUXとは何かについて。

一言で言えば、問題を抱えている人をハッピーにすること。

Screen Shot 2014-02-27 at 7.19.48

Screen Shot 2014-02-27 at 7.23.29 参考

 

Lean UXとはなにか

Lean StartupとUXを理解した上で、Lean UXとはなにかという話。

Lean UXとは、と極端な不確実性の中で製品をつくるために必要となアプローチだ。

Lean UXの肝は"Get Out of the Building!"という一言に尽きる。

オフィスで新しいUXをウンウン考えているよりも、外に出て行って、そもそもの前提条件やMVP(必要最小限の機能のこと)を見せて"学習"をするのだ。

必ずしも実際に外に出なければいけないわけではないが、統計データを引っ張りだして議論するのだけはやめよう。無意味だ。

具体的な手法については、以下の図を参照 Screen Shot 2014-02-27 at 7.31.39 参考

 

顧客とのインタビューの効果を最大化するためのTips

最後に、質疑応答の時間で、筆者がした以下の質問に対するJaniceの回答が素晴らしかったので紹介したい。

「顧客とのインタビューの効果を最大化させるためのコツはありますか?具体的には、どのクラスターのユーザーを選ぶべきか、どんな質問をするべきか、そしてその結果の評価方法を教えて下さい。」

まずインタビュー対象に関しては、自身のプロダクトに最も価値を与えそうなユーザーを選ぶべき。

そしてどんな質問をするかに関しては、以下の3つのタイプを使い分けるべき。

①エンパシインタビュー 顧客が、どういう状況、ライフシチュエーションにいて、どんな問題を抱えているか、どんなニーズを抱えているかを聞く

②ソリューションテスト 自社や他社のプロダクトについて話を聞く。

Janiceがよく使うテクニックが、自分の製品じゃないふりをして、 いつ使うか、どこで使うか、友人にどんな風に紹介するかなどを聞くというテクニック。

聞き手と、製品が関係ないと思わせることで社交辞令的なフィードバックを回避できる。

③ユーザービリティテスト 商品が使いやすいものであるか、より良くできるかを質問。 インターフェースメインの対話。

これら3つは、併用はせずに個別に使うべき。

そしてインタビュー結果の評価の方法ですが、 重要なのは、インタビュー設計のタイミングで、結果を出来る限り想像し、ある程度の評価基準を設けておくということ。

例えば、 「そもそものニーズを探るエンパシインタビューの場合には、この質問にYesと答えた人が40%以上いたら、我々の前提条件は正しい。もし低いようであれば、ターゲット層、そもそもの課題のピボットを検討」など。

  30分程度のセミナーだったので、実際に施策レベルに落としこむには、以下の本を読むことをおすすめします。

  images

 

グロースハッカー見習いはこう思った。

ものすごく本質をついている内容でした。

このセミナーの翌日に、実際にLean UXを実践する1Day Workshopがあったのですが、"Get Out of the Building!"して道行く人に聞いてみると、Workのお題となっているスタートアップに関して、僕らがコアバリューだと考えていることと、ターゲット層がコアバリューと感じることが見事にズレていて、その重要性を痛感しました。

今後、VASILYで新機能を設計する際は、必ず前提条件の検証、学習というサイクルから始めようと思います!

 

追記

今記事に関して、今回のGrowth Hacker Monthをリクルートとともに成功させたAppSociallyの高橋さんの以下のポストがすごく勉強になったので、こちらも許可を得て紹介させていただきました。