グロースハックをやっているけど、イマイチ手応えがない?
そんなときは、あなたのサービスにおけるグロースの"レバレッジ"、テコとなる部分を特定することから始めましょう。
レバレッジとは、テコの原理のように、その部分に力を加えると、全体に数倍の作用を与えるものを言います。
レバレッジを効かせてグロースを達成した例としては、Facebookの例が有名ですよね。
初日に、7人以上と友達になると、継続率が爆上がりしたというアレです。
いきなり全体の数値をグロースさせようとしても、無理です。
「この部分を改善すれば、全体の数値も向上するぞ!」という"レバレッジ"の部分を早期に発見し、そこにフォーカスして施策を行えるようにしましょう。
今記事では、皆さんが自身のサービスの"レバレッジ"を特定できるように、海外サービスで実際に用いられた"レバレッジ"を、AARRR別のリストとして紹介したいと思います。 ※AARRRがわからない方はこちらの記事
Acquisition(獲得)
①Airbnb Craiglistへの自動ポスト発生数
世界最大手の空き部屋シェアサイトであるAirbnbは、貸し手向けに、物件を当時同じ分野で圧倒的な強者であったCraigslistに投稿する機能を設置しました。
そうして、CraigslistのリストにAirbnbの物件が多く載る訳ですが、それらを借りようと思った際に、借り手はAirbnbのアカウントを作成する必要があります。
こうしてAirbnbは広告費を全くかけることなく、何百万人のユーザー登録を確保することができました。 詳細はこちら:「広告の奴隷にならないために!友人紹介でユーザー数を爆増させた海外サービス事例8選」
②Mint ファイナンスに関する自社ブログのPV数
全ての記事に登録導線があり、このブログのトラフィックがそのままユーザー獲得に比例しました。
③paypal ebay出品者によるPaypalロゴの使用数。
Paypalはebayの出品者向けに、Paypalのロゴを自動挿入するツールを開発しました。
ebayの出品者は、paypalのロゴを挿入することで、買い手に便利な決済手段を提示でき、購入される率が高まるため、盛んにPaypalロゴを使用しました。
この効果はすぐ現れ、大幅なユーザー数増加に寄与しました。
まだ、FacebookやTwitterなどへの投稿導線が主流になっていない頃に、これらの導線に力を入れたことで、他のプラットフォームでInstagramの独特のフィルターに興味をもったユーザーが大量にアプリをDLしました。
Activation(活性化)
①Dropbox 最初の1ファイルをアップロードした新規ユーザー数
Dropboxでは、一つでもユーザーがファイルをアップロードすると、そのユーザーはDropboxの利便性に感動し、一気に活性化されました。
②OKcupid アニメーションガイドを伴った登録フロー達成数
アニメーションガイドにより、登録後の利用イメージが明確になり、登録完了前からActivationされた状態を達成しました。
③Paypal 10$のインセンティブを伴った登録発生数
"使わないと損"という心理により、まずサービスを使わせる。 使えば、その利便性に気づく。
Retention(継続)
①Twitter 新規ユーザーに30人以上のフォロワーがつく割合
Twitterでは、30人フォロワーがつくと、一気に継続率が向上しました。
②Facebook 新規ユーザーが7人以上の友達とつながる割合
Facebookでは、7人以上と友達になると、継続率が爆上がりする。
③Path “Nudge”の発生数
Pathにアクセスしないユーザーに、友人のPathユーザーが「帰っておいで!」というメールを送ることができる。 この発生数を増やすことで、全体の継続率を向上させることができる。
Referral(紹介)
①Dropbox 500MBの追加容量というインセンティブを伴った友人紹介の発生数
CEOのアンドリューによれば、友人紹介によるDropboxの登録数は60%にも上るのだそう。 この紹介量を増やせば全体のユーザー数が増えるという構造。
Hotmailユーザーがメールを送信すると、“Get your free email at Hotmail” という文言がメール下部に記載される。 これにより、Hotmailユーザーが非Hotmailユーザーにメールを送れば送るほど、Hotmailユーザーが増えました。
その結果、Hotmailは以下のような成長カーブを描くことに成功しました。
Revenue(収益)
①GrouponやLiving Social 購入ユーザーによる、友人への購入促し発生数
共同購入クーポンサービスのGrouponやLiving Socialでは、「3人友人を紹介すればタダになる」というプログラムを提供しました。
結果、購入したユーザーが、そのクーポンの購入を友人に促すという流れができ、両サービスはこの紹介の発生数の向上を図ることで、全体の取引数アップを達成できました。
②Hulu フリートライアルの登録数
動画配信サービスのHuluでは、フリートライアルから課金への転換率が非常に高かった(高くなるようめっちゃ施策した)。
よって、Huluでは、いかにフリートライアルに登録されられるかをゴールに、徹底して最適化を行いました。 詳細はこちら:「元Huluのグロースハッカーが語る “真のグロース” とHuluで行ったグロースの軌跡」
グロースハッカー見習いはこう思った。
いきなり全体の数値をグロースさせるのではなく、"レバレッジ"となる部分を発見し、そこにフォーカスすれば良いと思えば、より具体的に施策立案ができるようになります。
iQONでは、"レバレッジ"が見つかっているとも言えるし、真の意味では見つかっていないとも言える状態です。
僕達も真の"レバレッジ"を発見してそこにフォーカスできる状態を作るべく頑張ります!