Paypal、Pathなどのアドバイザーが語るグロースハックに必要な5つの前提条件

グロースハッカーとして4社で大きなグロースを達成し、現在はpaypal、path、flickerなどを含めた31社のアドバイザーをしているJames Currier氏がLE WEBで語ったグロースハックに対する考え方が非常に面白かったので紹介したいと思います。

James Currier氏の功績がいかに凄いかは、以下のチャートを参照。

  track record  

グロースハックって何って方はこちらの記事をどうぞ。 「グロースハック」とは  

グロースには4つのタイプがある

単にグロースと言っても、以下の4つのタイプがある。

  4types  

1.新規ユーザーの増加数 2.Activateされたユーザー数 3.再訪するユーザー数 4.課金ユーザー数

普通、1の新規ユーザー増加数だけをもってグロースということが多いが、2〜4も同じくらい重要である。

ここでActivateされたユーザーとは、プロダクトを十分に理解し、かつ、それを面白いと感じたユーザーのこと。

実は、このActivateというプロセスは非常に重要だ。

James Currier氏は50%の時間をFUX(first time user experience)、一番最初のユーザー体験の設計に費やすという。

普通の会社では、5%がせいぜいだと思う。

FUXについては、後日、記事を書きたいと思います。

 

新規ユーザーを増やす方法は3種類ある

新規ユーザーを増やす方法は、大きく分けて以下の3つがある。

1.WOM(クチコミ) 2.Viral(バイラル) 3.Paid(広告など)

それぞれのタイプの具体的なチャネルは以下の図を参照。

それぞれのチャネルの特性を理解し、自在に使いこなすことがグロースハッカーには必要。

  channels  

とくにバイラルのチャネルに関しては、時期によって何を使うべきかは変わってくる。

以下の図を参考にして、どのバイラルチャネルを使うべきかを考えよう。

viralchannel

 

グロースハッカーに必要な5つのオペレーションスキル

グロースハックを大きな視点で捉えたところで、実際にグロースハックをするために何が必要なのかを考えてみよう。

大きく、5つの重要なステップがある。

1.グロースチームを作る 2.プロダクトストラテジーを立てる 3.データ分析、最適化ループに強くなる 4.プラットフォームチャネルタクティクスを練る 5.グロース文化を形成する

  1.グロースチームを作る  

どんなに小さいチームでもグロースチームを持つべきだと氏は語る。

チームを構築する際のチェックリストは以下の5つ。

・メンバーがグロースに責任を持つ(グロースには4つあったことを思い出そう) ・肩書に"グロース"を入れる(グロースハッカー、グロースエンジニアなど) ・CEOに必ずレポートする ・データ分析を楽しめる人材で編成する ・CEOよりもアグレッシブな性格の人材を集める

ここで、注意すべき点がひとつ。

CEOが明確な指示や、権限を与えないグロースチームはほぼ間違いなく失敗している。

もっと言うと、CEOもグロースチームに顔を出すべきである。

  2.プロダクトストラテジーを立てる  

「そのプロダクトはユーザーにとって、何なのか」を明確にする。

それはよく、プロダクトストラテジーという名で呼ばれているが、 私はその中で、Language(言葉)が重要だと考えている。

例えば、ある写真管理サービスを説明する際に、 「写真をStore(保存)するサービス」と言う場合と、「写真をShare(シェア)するサービス」と言う場合では全く性質が異なってくる。

そのLanguageはユーザーに対してだけではなく、あなた自身のプロダクトに対する考え方も変える。

大きなグロースを達成したいのであれば、ネットワーク効果が強く現れるようなLanguageにするべきだ。

そして、そのLanguageは一度決めたきりではなく、何度も定期的に見直すべきものである。

急成長を遂げたあのTwitterですら、何度もLanguageの見直しを行っていた。

  3.データ分析、最適化ループに強くなる  

グロースハックはデータ分析、最適化ループと切っても切れない関係にある。

まずデータ分析に関していえば、コホート分析に強くなる必要がある。 もし、下図のようなチャートを見て、アレルギーが出るようであれば、あなたのチームのグロースは難しいと言うしかない。

  example  

また、最適化ループに関して言えば、 ABテストはもちろん大事なのだが、パイプラインテストに習熟する必要がある。

例えば、登録周りであれば、 「効果的な友人招待のメカニズム」→ 「メッセージのクリック率」→「登録を促すキラーメッセージ」 という一連の流れを、個々で最適化するのではなく、フローとして最適化する考え方やスキルが必要である。

  4.プラットフォームチャネルタクティクスを練る  

上にも載せた、新規ユーザーを増やすためのチャネルは、それぞれに独自の文化がある。

それぞれがどう働くかを理解し、使いこなすことが重要だ。

ここで注目したいのが、WOM(クチコミ)だ。

実はWOMの影響力は、ネットの普及で一旦下火になったものの、ここ数年でまた重要になってきている。

なぜならスマートフォンの登場によって、人の前でプロダクトが使われることが多くなったからだ。

Shazamなどはその典型だ。 (Shazamは街などで流れている音楽を音声解析して、何の歌かを特定するアプリ)

Shazamユーザーが友人の前でiPhoneを掲げて振っていれば、 周りの人は「一体何をやっているんだ?」と気になるだろう。

この流れは、ウェアラブルバイスの登場によって、より加速していくだろう。

  channels  

  5.グロース文化を形成する  

グロースハックをするためには、個人、そして組織に、 グロース文化を形成する必要がある。

そのグロース文化とは具体的には以下のようなものだ。

失敗に耐え、諦めずに繰り返す。 失敗は実験の一部だと捉えよう。

グロースハッカーは忍耐強くあらねばならない。

グロースハックは魔法のようなものではなく、 アプローチであり、哲学であることを認識しよう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

最近、色んな会社の方にグロースハックの相談を受けるなかで最も話題に上がるのが、 「いかにチームを編成し、社内にグロースハック文化を根付かせるか」ということです。

グロースハックは、施策を100回打って、そのうち80回失敗してなんぼ、という世界です。

「いかに効率よく、早く失敗できるか」というのが重要なテーマになってきます。

したがって、グロースハックはCEOの理解や協力がないと、まず不可能な行為だと思います。

そして、正直に言って、日本でCEOがグロースハックの重要性に気づけている会社は本当に一握りです。 (海外でこんなにも成功例が多いにも関わらず!)

この問題を解決することが、日本のグロースハックの一番の課題であり、 一番の肝になってくる思います。