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グロースハックの進化論について

先日、サイバーエージェントさん主催のアドテクカンファレンス「Ad Engineering Summit」にて、「グロースハック進化論」というテーマでグロースハックの今後の発展についてお話させて頂きました。

KAIZEN platformの須藤さんや、pLuckyの林さん、InnoBetaの平石さんといった、業界を代表される方々とまるまる1時間、グロースハックの今後の展開についてディスカッションすることで僕自身考えを整理できたり、多くの気付きがあったので共有できればと思います。

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そもそもグロースハックは、なぜ今話題になっているのか

これに関しても僕の見解は、当ブログでも何度か紹介している通りです。 グロースハックとは何か 〜グロースハックをマスターするための究極のガイド〜

ベンチャーには、実に様々な痛みがあります。 むしろ、うまく行かないことの方が多い。

そうした中で、唯一、成長、グロースだけがその痛みを癒してくれる。

そうして、ベンチャーは昔からグロースを求めてきた訳ですが、 最近になってやっと、グロースだけにフォーカスできる環境が整いました。

昔は黒字化していない事業は論外でしたが、 今ではグロースさえしていればファイナンスでお金が付いてくるようになった。

更に、赤字のままでもグロースさえしていれば、Exitという出口まで用意されるようになった。

そうした中で、グロースだけに振り切る人材、グロースハッカーが必要になってきたのだと考えています。

昨今のグロースハックバブルについてどう思うか

僕はグロースハックバブル、おおいに結構だと考えています。

新しい概念が広まる際には、ざっくり4つのフェーズがありますよね。

①提唱される ②アーリー層に広まる ③一般層に認知され始める ④共通認識が形成されて定着する

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①〜②のフェーズでは、その概念が提唱者のコントロールが効く範囲に留まっているので、概念が間違って認識されることはないのですが、③のフェーズになると、概念がひとり歩きしてしまって色々な誤解が生まれてきます。ここが、俗にいう「バブル」の状態かなと思っています。そして、この「バブル」の状態は新しい概念が広まって定着しようと思ったら避けられないんですよね。「マーケティング」などの歴史ある概念や「スタートアップ」など新しい概念、両方の歴史を見てみても、やはり「バブル」のフェーズは存在しています。

さらに、このバブルの状態には、それ自体でメリットもあると思っています。情報が溢れて錯綜することによって、そこに議論が生まれますよね。まさに今回の「Ad Engineering Summit」のように。そして、その議論の中で、その概念が洗練されていって、より洗練された形で定着していく。 マーケティングの歴史を紐解いてみても、そういった変遷をたどっています。バブル期に解釈の違いで色んな学派や立場に分かれて議論が起こったけれども、その中で新しい理論が生まれたり、より洗練された形で、広い領域で定着していった。

なので、グロースハックバブルは、④のフェーズに行くために不可欠なことに加え、バブル期の議論でより洗練された形で定着する可能性があるという2つの意味で喜ばしいことだと僕は考えています。

ただ、一方でバブルに関して気を付けなければいけないこともあって、③のバブル期の誤解が残ったまま概念が歪められて定着する可能性があるという点。

例えば、ビッグデータとかはまさにその例ですよね。

本来は非常に大きな概念で、ほぼ全ての領域に使える概念であるにも関わらず、日本においてはこぢんまりとした形で定着してしまっている。

そしてグロースハックも割とこれに近い状態にあると思います。

具体的には2つの誤解があると思っています。一つは「グロースハックとは、お金をかけないマーケティング手法である」というもの。もうひとつは、LPOやボタンの最適化など、枝葉末節の部分にフォーカスしすぎという点。

前者に関しては、KAIZENの須藤さんも仰っていた通り、日本のグロースハックはお金をかけずにやるのが正解みたいになってしまっていて非常に小さくまとまってしまっています。AirBnBUberなどは、GoogleFacebookに年間数十億規模で広告を投入しているそうです。その意味で、最近のGunosyやメルカリなどのCMは、日本におけるグロースハックの考え方が変わる良いキッカケになるのかなと思っています。

「"グロースハック"の本質は"グロース"」なので、お金とグロースの転換効率が良ければバンバン広告を打つべきですよね。

後者に関しては、日本のグロースハックはLPOやボタンの最適化など、枝葉末節の部分にフォーカスしすぎかなと思っています。LPOやボタン最適化がグロースに与えるインパクトが大きければ積極的にやるべきだと思うのですが、中小規模のサービスにおいては、もっと先にやるべきことが沢山あると思います。プロダクトそのものの見直しだとかブラッシュアップだとか。当ブログでもHuluのLPOのセミナー記事を書きましたが、あれはあの規模のサービスだからあれだけのインパクトが出ているのであって、そうでないサービスはもっと根幹の部分をやるべきではないかと考えています。

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今後どのようにグロースハックを進化させたいか

よく「マーケティング」の対極として語られることの多い「グロースハック」ですが、進化の方向性としては「マーケティング」と同じ方向で進化して欲しいと思っています。

2番目の質問で、概念定着モデルの話をしましたが、③のバブル期のフェーズの議論によって④の定着のスケールの決まってしまいます。

一方では、「マーケティング」のように、バブル期に解釈の違いで色んな学派や立場に分かれて議論が起こったけれども、その中で新しい理論が生まれて、より洗練された形で、広い領域で定着していったものもあれば、 一方では、「ビッグデータ」のように、ポテンシャルを持ちながらも、バブル期の誤解を払拭できずに、ごく限られた領域でのみ語られるようになってしまうものもある。

「グロースハック」は後者ではなく、前者の方向で進化して欲しいですよね。

具体的には、「広告を打つのはグロースハックじゃないよね」という誤解を捨て、LPOやボタン最適化などの枝葉末節の部分だけやって"グロースハックした気になる"のをやめるなど、様々な誤解を一個一個払拭していく必要があるかなと考えています。

そのためには、このブログの読者の方々含め、「本当のグロースハック」を理解している人たちがバブル期の議論に積極的に参加していって、誤解を誤解のまま残さないようにすることが必要かなと考えています。

このブログでも、引き続きグロースハックの情報を発信して、グロースハックが今よりも良い形で定着できるように努めていきたいと思います。

今回は僭越ながら、僕の意見を述べる形になりましたが、これが唯一の正解だとは思っておらず、それぞれ違った見方があると思いますので、みなさんの意見を頂けると助かります。

セッション終了後に、登壇者の方々と、今回イベント全体の企画とセッションのモデレーターを努めてくださった渡邉さんと。 0516_aes_img02

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