Webサービスのコンバージョンにおける問題をどう発見し対処するかの分析的アプローチ

An Analytic Approach-How to Find and Fix Conversion Problems ※今記事はCrazyeggブログの翻訳記事です An Analytic Approach: How to Find and Fix Conversion Problems

ビジネスを目的としたWebサイトは、主にメールマガジンの登録や商品の購入といった何らかの行動を訪問者に起こしてもらうこと(コンバージョン)を目的としています。

突き詰めると、コンバージョンがビジネスを左右します。 すなわち、コンバージョンの最適化がビジネスの最適化に繋がるのです。 では、コンバージョン率が低い場合、どうすればよいのか。

今記事ではコンバージョンの為にWebサイトを最適化するプロセスに焦点を当てます。

 

この記事をお読みになっている方は以下の状況を満たしていることでしょう。

・既に魅力的なWebサイトを運営し、ある程度のアクセス数を得ている

・運営しているWebサイトのコンバージョン率に改善の余地があると考えている

・上述の改善の余地があるという点について実験を通して確信したいと思っている

 

このまま読み続けて頂ければ、これらを達成するにはどうすれば良いのかが理解できるでしょう。 準備は宜しいでしょうか? でははじめましょう。  

最適化のプロセス

何かを最適化するにあたってしなければならないのは、以下の4つです。

①科学的に実験を行うということ ②その実験結果を注意深く分析すること ③実験結果から最適と言えるものを選択すること ④そしてこれらのことを繰り返すこと

 

これらのことが適切に行われれば、得られる実験結果は向上していくはずです。

この最適化はWebデザインにおいて非常に有効な方法です。

良いWebデザインは恒常的に高いコンバージョン率をもたらします。 ですが、どんなに成果をあげているWebサイトであってもコンバージョンを伸ばす余地は必ずあります。 私達はそのやり方を知っておく必要があります。

 

鍵となるのは独断で決めてしまわないということ。 例えば、2枚の写真の内、自動車の広告に使用するのにあなたはどちらを選びますか?

1枚目は車のドアにもたれかかった魅力的な女性を主役とし、ビーチを背景としています。 2枚目は似たような女性が似たようなポーズを取っており、生い茂る緑を背景としています。

スクリーンショット 2014-06-23 19.02.05

どちらの写真を使用すればコンバージョンの成果を最もあげることができるでしょうか。 どちらか一方の写真がより効果的なのでしょうが、果たしてどちらを選べば良いのでしょうか。

実験に基づいた選択でなければ、その決め手は独断的なものになってしまいます。 しかし、実験として両方の写真を試した上での選択であればコンバージョン率の向上に繋がるでしょう。

 

【行動】 Webデザイナーと話し合い、試すことが可能なコンバージョンの決め手となるもののリストを作成すること。 例えば、CTAボタンは右マージンと左マージンのどちらに配置すれば最も効果的なのか、黄色と赤色どちらが良いのか。

【ヒント】 既に綿密な議論を重ねた上で作成したWebデザイン案のリストがあるのなら良い機会である。 これは次の節で述べるスプリットテストや多変量テストに向けた良い足掛かりとなる。  

スプリットテスト

A/Bテストとも呼ばれるスプリットテストは、2つの独立した要素のうちどちらを取るかを決定する際に、結果を最適化しようとするものです。 先述の2枚の写真の例のように、選ぶべき写真を実験をもって明らかにするテストなのです。

 

スプリットテストの手順とは以下の通り。

1.何をもってコンバージョンとするかを決める。 コンバージョンとは、単純により多くの情報を得るために訪問者がボタンをクリックすることなのか、あるいはコンテンツをダウンロードすることなのか、ショッピングカートに商品を入れることなのかを始めに決定しておくべきです。

2.サンプル量を決める。 つまり実験を行う訪問者の数を決定するのです。 サンプル量が多ければ多い程、得られる結果は正確になります。

3.2通りのWebページを別々に作成する。 どちらのページにも特別なコードを埋め込めば、 それぞれのページに対応するコンバージョンを区別してたどることができる。 本来のページでのコンバージョンの実績を維持するよう、 サンプル量を超過した(実験を終えた)後はそのWebサイトを本来のページへと戻す。

4.2通りのWebページをサイトにアップロードする。

5.訪問者が2つのページのいずれか片方のみを閲覧するための特別なコードを埋め込む。 クッキーを利用し、確実に同じ訪問者がWebサイトにいつアクセスしても同じページを閲覧するようにする。

6.それぞれに発生したコンバージョンの数に加えて、ページへの全訪問者数をたどる。

7.サンプル量を超過した後、サーバーを確実に本来のページに戻す。 その際にデータの取得を停止する。

 

この実験の後に結果を分析する。 いずれか片方のページにもう一方より明らかに良い結果が表れていれば、本来のページをそれ相応に改装するべきであり、その結果Webサイトがコンバージョンに向けて最適化されるのです。

例えば、先述の写真広告は下記のコンバージョン率をもたらしました。

Split-Testing

ビーチの写真がより高いコンバージョン率をあげており、変動数を考慮してもなお勝っています。 従ってこのWebサイトはビーチの写真を使用するように改装をするべきなのです。

 

【行動】 前節で作成したリストを見直し、2通りのページによる実験結果によって明らかにすべきポイントを探すこと。 可能な限りの最も高いコンバージョン率に基づいたリストを優先し、リスト通りに一つずつ、上記に述べた実験の手順を踏むのである。

【ヒント】 信頼区間に注目する。 この数値は考慮に入れるべき変動数を示す。 一般的には変動数は実験のサンプル量を増やせば増やす程小さくなります。  

多変量テスト

多変量テストの概念はスプリットテストに似ていますが、三種類以上のページを相互に比較する点が異なっています。 そのため多変量テストでは、単純な二者択一の決定というよりも、程度の問題を扱うことが出来ます。

例えば、冬が近づいてくると、自分のサイトに冬のテーマを組み込みたいと思うかもしれません。 その際、サイトのロゴから、つららが垂れ下がるというような最小限のものにするべきでしょうか。 それとも更に一歩進んで、つららとともにサイト全体に雪が降るようなものにするべきでしょうか。

マーケティングチームは何十個もの創造的なアイデアを思いつくでしょう。 あなたはそれらのアイデアをいくつかのグループにまとめ、そのアイデアのグループを基にしてページを作成するのです。 つまるところ、一つのページについて、複数の変化のグループをテストすることになります。

段階を踏む実験のプロセスはスプリットテストと似ていますが、二つだけでは無く、複数のページを用いる点が異なっています。

多変量テストに用いるコードが少々複雑になっている点には注意しなければなりません。 なぜなら、サイト訪問者のそれぞれを複数のページのうちの一つに誘導し、かつ各々のページについてのコンバージョン率を捕捉するからです。

また、オリジナルのページをテストに組み込むことも忘れてはなりません。 これはコンバージョン率を比較する際の基準となります。

実験が完了すれば、このような形の結果が得られるでしょう。

Multivariate-Testing

一見すると、29.19%の向上を記録したグループ3のページが最良のコンバージョン率を生み出したように見えますが、 ここには注意が必要です。分散が非常に大きいのです。

オリジナルのページは6.20%±3.5%のコンバージョン率を示しています。 グループ3の方が大きく勝っているように見えるという事実にもかかわらず、両者のコンバージョン率の分散幅は重複しているのです。

このことを図で示してみましょう。そうすればこれがどういう意味なのかわかります。

オリジナルのページ:6.20−3.5=2.7 もしくは 6.20+3.5=9.70 グループ3のページ:8.01−3.2=4.81 もしくは 8.01+3.2=11.21

conversion-rate-data

二つの棒グラフは重複しています。 このことは、グループ3がオリジナルに本当に勝っているということを示すだけの、十分な統計的裏付けが無いことを示しています。

ここでアドバイスするならば、分散幅を縮小させるためにサンプルのサイズを大きくし、 グループ3の数値の変化が本当に優越的なものなのかを決定せよ、ということになるでしょう。

全てのグループをテストし、統計的な裏付けをもって差が出たコンバージョン率を確定したならば、最大のコンバージョン率を記録したデザインを実装するだけです。 そうすれば、より多くのグループを作成し、更に実験を繰り返すことが可能となるでしょう。

 

【行動】 この記事の最初のセクションで作成したリストを見直し、多くの変更可能性が存在するような箇所を探す。 これらのタイプの変更は一般的に、「これかあれか」という単純な二者択一の決め手というよりも、ページの範囲(例えばサイトのテンプレート)に及ぶ。

リストに沿って作業を開始し、それぞれについての一連の変更を加えたページを作成する。 その後、スプリットテストで説明した実験のプロセスを用いつつ、これらのページをシステムに組み込む。

【ヒント】 良好な信頼範囲を得たいと考えるのならば、多くのサンプルを用いなければならない。 しかし同時に、サイトの訪問者が混乱することを避けるため実験の数をできるだけ制限したいと考えるだろう。 そこで、サイト訪問者のうちの少数、例えば10%を選別し実験対象とすることを検討する。  

まとめ

サイトのコンバージョン率に影響する要素は多数存在しており、どれが最も重要なのかをきめることは難しい。 二つの独立した変数の間での最適化のためにはスプリットテストを用いることが出来ます。 複数の変数間での決定については多変量テストが有効です。

いずれの場合でも、どんな変更が優れたコンバージョン率を生み出すのかを決定するために、 Webサイトの訪問者に対して科学的な実験を行うことになります。

その結果、あなたの決定は個人的な好みや組織内の意見によるものでは決してなくなります。 複数の選択肢をテストすることによって、あなたのサイトの訪問者は、あなたのページのどの要素が最も説得力があるのかをあなたに伝えることが可能になります。

この場合、顧客は常に正しいのです。

 

VASILYの社内勉強会に遊びに来ませんか?

VASILYでは、月に1回、代表の金山が厳選したインターネット業界のニューストピック10〜20本をまとめて解説する「VASILY U」という1時間の社内勉強会を設けています。

前々回のVASILY Uのレポート記事はこちら

次回は、学生限定で外部の方を15人ほど招待しようと思います!

インターネットが大好き!、VASILYの社員と話してみたい!、タダで飲み食いがしたい!など、 少しでも興味を持った方はお気軽にご参加ください!

日時:7/1(火)20:00〜22:00 (20:00〜21:00 VASILY U、21:00〜22:00 オフィスで飲み会) 場所:http://bit.ly/1mQQMDs ※応募者多数の場合は、抽選になる場合があります。

「VASILY U」参加申し込みはこちらから